転職先はブラック企業2話はこちら
残業代に苦しむブラック企業社員!
休むことも、風呂にはいることも、着替えることさえ難しい。転職先では、そんな毎日が待っていました。
しかし、なんとか頑張って4月を乗り切りかけたその時、 ブラック企業における鉄板問題「残業代問題」が待ち受けていたのです。
歓送迎会のクオリティにも「社長の意向」が含まれる
4月末。歓送迎会。
当然こういった会社は新陳代謝が良いので、辞めていく人間は月に数人はいる。よって、月末には辞めていく社員のお疲れ様会があると知った。
歌舞伎町にあるパーティ会場をわざわざ貸しきって、担当者も夜遅く(むしろ朝早く)まで準備させてのことだ。
コスプレをした若手の女子社員がダンスを踊らされる等、社員旅行のデジャブのような宴会芸が続く。社長のカラオケを〆にして、会場を貸し切ったセレモニーは終わった。
これは後からわかったことだが、歓送迎会のクオリティには一つの「変数」があった。それは、「社長のお気に入り度」である。お気に入りの人間だけが壮大に見送られ、普通の社員、目立たない社員は辞める当日でも声すらかけられない、というような状況……!
あまりにも露骨だった。よくベンチャー企業を指してこういう言葉をいう人がいる。「ベンチャー企業は経営者との距離が近いから、社長が何を考えているかがよくわかる」と。確かにそうだ。よくわかる。社長が誰に興味があって誰に興味が無いかなんて、この会社にいたら誰でもわかる。
血涙の残業代
4月、5月が過ぎ、初の給料日がやってきた。
当時、僕は金に困窮していた。給料日が翌月末払いということを知らず、貯金がほぼ底をつきかけていたからだ。とにかく金が欲しい。金を早くもらって、まともなメシが食いたい。直近、マックのチキンクリスプしか食べていないのだ。早く、早く近くの定食屋で刺身定食が食いたい、白米が食べたい、、、!なんとか5月末まで待って、ATMの欄に6桁の数字が振り込まれていたのを見た時、僕は喚起した。
しかし、感動も束の間。なんだか金額が少ないのだ。なんというか、基本給以外振り込まれていない気がする!
オフィスに戻って給与明細を見てみると、残業の欄には何も書いていなかった。「空欄」だったのだ。1ヶ月300時間にのぼる残業時間が、なんと、ゼロ、、、!そういえばこの会社、勤怠管理を全くしていない。全くしていないのだ。誰が何時に来て何時に帰ってなんて、測っていない!タイムカードもない、、、!
後日社長が言っていたことの中に、こんなセリフがあった。
俺は時間に対して金を払っているんじゃない。バリューに対して払っているんだ(注:ジャンプを読みながら)
一見正論に見える発言。確かに、本来なら賃金は価値に対して払われるべきだろう。しかし、日本では「労働時間に応じて残業代を払わねばならない」ことが「法律で決まっている」ことを経営陣は知っているのだろうか。百歩譲って時間に応じて払うことをやめてバリューに対して払うことを認めたとしても、彼らの言うバリューは計測されていない上、バリューの定義だって決まっていないのだから閉口である。残業代を払う前段階すら、少しも整備されていないじゃないか。払う気がないと言われても何も言えないだろう。
正論ぶったって、ブラック企業の言いたいことなんてたったひとつだ。「金が全て」である。コストになる人件費なんて、切り捨ててナンボって訳だ。
劣悪な環境、しかし「ブラック企業に感謝」していたあの頃
とは言え、この時期は満足していたし、感謝さえしていた。
前職の悩みであった「マーケティングの解が見つからない」恐怖に対して、この会社は解の出し方を教えてくれたからだ。何の課題に対してどのようなフレームワークを使えばよいのか等、答えを出すだけのアタマを持っていた。それに対して僕は非常に誇らしく思い、働くことの価値を見出していた。課題解決。コンサルティング。耳にここちの良いこういったスキルが、少しずつながらも自分についてきているのだ。まだ自分はやれると考えていた。辞めたいだなんて、全然考えていなかった。
しかし、裏を返せばここが恐ろしいところである。困っている僕らに対して、ブラック企業は何かしらの「解」を与えてくれる。例えば、「職がない」と困っている人に対しては「難易度の低い選考」を与え、正社員の称号を与えてくれる。また、「スキルが足りない」ことに頭を抱える人に対しては「ハードワークによるスキルの向上」を提示してくる。それらを提示されたとき、持たざる者は安心する。そして、同時に手に入れた安心を逃すことに対して怯える。これがドツボだ。「お前は他の企業では就職できない。だからうちで頑張れ」「ここまで成長できるのはうちだけだ。だから働け」というように、論理武装してくる。
現在勤めている企業で働く理由が「不安の解消」のみになっていないだろうか。もしそうであれば、企業に利用されていることを疑ったほうが良いかもしれない。
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