書店はこれからどう生き残るのか?
どうやら、書店の店舗数がめちゃくちゃ下がっているらしいです。
1999年から 2014年までに 8,353軒の書店が減少しています。16年間の減少平均を出すと、522件になります。仮にこの推移で続くとなると、2022年には 9,945店前後になるだろうと予測できます。
しかし、下記のデータを見てみると、大型店舗については店舗数は増えています。これは想像ですが、街の小さな本屋さんがどんどん潰れていて、大手企業の運営する大型店舗は何とか生き延びているのかもしれませんね。
https://www.jpoksmaster.jp/Info/documents/top_transition.pdf
書店、起死回生の新ブランド戦略
逆風の中で、起死回生のための新たな試みが生まれているようです。
こちらはTSUTAYAが運営する「蔦屋家電」。
TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブが家電店と書店をミックスした店舗をリリースしています。出店している地域から、比較的高級層を狙っていると思われます。
特長としては、本と家電を合わせて提供していくこと、コンシェルジュ(店員)が自分にぴったりな製品を提案してくれること。さらに、イベントまでやっているらしいですね。
蔦屋家電をおしゃれの発信地にしよう、みたいな意図が感じられます。
蔦屋家電のコンセプトとは?
彼らのコンセプトは「統合」と「分解」の2要素で説明できると思います。
統合:本だけでなく、家電という別ジャンルを統合する
分解:多くの商品の中から最適なものを選び出して提案する
→この結果として、「ライフスタイルの創造」があるわけですね。
蔦屋家電のHPには、ライフスタイルの創造について下記のような記述があります。
お客様との会話を通して、ひとりひとりに合わせた商品を提案していくコンシェルジュとよばれるプロ集団。
彼らが提案する思いもよらない家電や本との出会いが、新しいライフスタイルを創造します。
鍵となるのは、「分解」を担うコンシェルジュの方々。かつて電器店の店員が、このようにフィーチャーされることってあったでしょうか。
家電とライフスタイルのミックスといえばビックロが先駆けですが、あれは2つの店舗ブランドが別々の階層に入っているだけなので、本質的にジャンルを統合できていないと思います。
家電はライフスタイル器具に置き換わってきた
話を変えて、「なぜ家電なのか?」について考えてみると、家電とライフスタイルってつい最近になって、より親和的になってきた気がします。
電気製品の存在意義は元来、アナログ作業の代替でした。洗濯機は洗濯板の代替品、冷蔵庫は蔵の代替品等、既存の製品を置き換えるものでしかなかったのです。しかし、インターネットが普及し、スマホも普及し、IoT時代となった今、家電は生活のもっと奥に入り込んできています。生活者の食べているものや脈拍、生活リズム等さまざまなデータを「測定」し、人を「管理」することさえできるようになりました。
家電は、生活の一部を代替するツールという位置づけから、更に上位概念にステップアップしていると言えるでしょう。