同族経営=ブラック企業?
自分の働いている会社は同族経営です。
同族経営というと、あまり良いイメージがないと思います。
むしろ、ブラック企業のいち要素として同族経営が挙げられたりもします。
では、同族経営の何が悪くて、どんな同族経営がブラック企業化するのかを考察してみたいと思います。
神格化される社長ファミリー
同族経営となると、経営陣は社長一族で固められます。
すると、「社長一族に逆らう=会社を敵に回す」という構図が出来上がるんですね。
したがって、なるべく一族には立ち向かわないような雰囲気が出来上がります。
すると、一族は図に乗り始め、一族優先の経営を始めたりします。
社長の奥さんが職場に来た!再優先で対応しろ!
社長ファミリーが神格化した結果、ふりかかってくる災難。
その際たる例が、社長の奥さんが職場に来た、みたいなことなのでしょう。
当然、他のお客さんよりも社長の奥さんを優先度を上げて対応するような流れになります。
小売業だったら普通に社長の家族が買い物に来たりします。
そして、奥さんがぼそっと言った「あの社員の態度が悪かった」や「あそこのコーナーが汚い」などの愚痴は、社長の口からの「業務命令」によって徹底的に是正するように指示されます。
これの何がいけないかというと、そこまで優先度の高くない仕事が、社長の奥さんの鶴の一声的な作用によって、優先度が爆発的に上昇するという点です。
同族経営によって捻じ曲げられる経営ロジック
同族経営というのは「ロジックに適っていない感情論などが経営に反映される」という点で、良くないと思います。
僕の場合、取締役が「ITが嫌い」というだけで、PCやネットの使用を制限されましたからね……
IT出身なのにPCやネットを制限されたら翼をもがれたようなもんです。貢献度も下がります。
他にも、経営者と口論になり「仕事と家族のどっちが大切なんだ!」と言われて家族と言った結果、降格させられて飛ばされたりした人も知っています。完全に感情論です。
簡単に言えば、同族経営というのは会社の私有化です。会社は営利団体なので、利益を生んでこそ存続意義があります。
しかし、会社という組織において、経営者の任命を「経営スキル」ではなく「血縁」で決定するのはロジックの破綻を感じます。
なんだかブラック企業の匂いがプンプンしてきましたねえ……
同族経営イコールブラック企業なのか
というわけで、
同族経営がブラック企業化しやすい傾向にあることは間違いないです。
ブラック企業というのは「法律(主に労働基準法)に違反する理不尽さ」を秘めた会社ですから、
ただし、同族経営の良いところは、会社が傾いた時に一族全員が本気を出してくれることだと思います。
社長一族にとって、会社の滅亡は家の滅亡と重なる部分がありますので、家を守るがごとく、本気になってくれるはずです。
よくある零細ITブラック企業のように、社長が赤字作った挙句トンズラ、みたいなことはあまりないでしょう。
特に田舎になると、社長一族は「地元の名士」みたいな扱いになるので、自分たちの家のメンツにかけて必死で会社を守ります。
彼らにはトンズラする先はありませんからね。