ども!
しょうきちです。
僕が中学生の時から大好きだった池袋ウェストゲートパーク(以降IWGP)、去年新刊が出ていたんです。しかも、テーマはブラック企業。これは僕としては見逃せないと思って読んでみました。
そこで、今回は登場するブラック企業がどんなブラック企業なのか、ブラック企業的な
行為は何をしたのかについて書いていきたいと思います。
ブラック企業のリアル
今回の物語は、飲食店などを経営するブラック企業「OKグループ」と、その社員との対立を中心に描かれています。
OKグループは、特別上等でもなく、かといって劣悪でもない、「そこそこの味」を格安で提供することにより、池袋界隈で急成長を遂げています。その原動力になるのは、使い捨てのようにぼろぼろに使役させられる従業員。
うまくもなく、まずくもない、でも値段だけは激安。そんなどうでもいいものを摂取しながら僕たちは生きている。
こうありますが、果たしてそんな記憶に残らないプロダクトを提供して儲かってうれしいのだろうか……。納得感ってあんまりないと思うのですけど。
創業者の「感動強要マニュアル」を自爆購入しなければならない。しかも3冊から。
朝から街頭のはき掃除を強要されている若者。彼との会話から物語は始まります。彼のポケットには経営者の書いた本が。
飲食店というか居酒屋というかワのつく低価格居酒屋によくありそうですが、経営者が出版する本を自分で購入しなければならないのです。内容は「感謝・感動」。
それを見て
感動とか感謝を売りにしているものからは距離をとったほうがいい。
と、主人公のマコトはつぶやきます。
感動の押し売り、感謝の押し売り……。これは思想の押し付けというよりも思想のはく奪とでもいうべきでしょうか。ブラック企業の怖いところは思考も権力もすべて、経営者や管理者に乗っ取られることです。そして、従業員は思考停止のまま、手しか動かせなくなってしまう。それが恐ろしい。
感動や感謝って、掲げられると打破しにくいのです。言葉がきれいすぎるから。だから、綺麗な言葉に乗せられて、曲がったこともついついやらざるを得ない。
ちなみに、本に書いてある内容から昇格試験の問題が出題され、低い点数を取ると「真冬の中半袖でチラシ配り」という拷問が待ち受けているとか。
従業員が飛び降り自殺。そのときブラック企業は?
ある日、従業員が「感謝も感動もできません!」と言ってビルの8階から飛び降りてしまいます。何社も受けたけれども正社員になれず、しかも、やっとOKグループで正社員になれたと思ったらブラック企業だった。彼は仕事に順応できず、「ダメ社員」の刻印を押されて退職を強要され、訳もわからぬまま、ビルの上に登ってしまいます。結局命は助かるのですが、重傷を負ってしまいます。
それに怒り、会社をやめて裁判で戦おうとした従業員も会社からの刺客(!)に襲われて大けが。OKグループはブラック企業の十八番、「臭い物には蓋」の精神でもみ消しにかかったのです。
刺客を送るってのは少しファンタジーが入っている感じがしますが、会議室や倉庫に閉じ込めて何時間も尋問するくらいだったら普通にやってそうですね。
その後、自殺は伝搬。後追い自殺が現れるが、会社はそれを会社のプロパガンダに利用しようとします。クズの連鎖が続きますね……。
記者会見で、自殺を美談化
ブラック企業「OKグループ」の社長は、自殺者の名前を慈善事業に使うことで、自殺事件を美談化しようとしました。海外に建設する小学校の名前に自殺者の名前を使うということです。ここら辺がクソというか。笑
なんだかガルマの死を政治的プロパガンダに利用したギレンみたいですね。
一人頭80万円の違約金を払わなければ辞められない
さらに、辞めるにも辞められない状況が。
半年以内に辞める場合、広告費用や面接試験に必要な経費を違約金として払わされるのです。その額、80万円。アルバイトでさえも違約金は免除されません。
しかも、取り立て業者としてギャングを使ってきます。これどこの暴力団なの?
ブラック企業社長はなぜ儲けたかったのか
さて、物語の中には上記よりもさらに多くのブラック企業行為が載っているのですが、ここで考えてみたいのは「なぜそんなことをしてまで儲けたくなったのか?」ということ。暴力団まがいのことをしてまで、会社ってやるものなのか?という。
これについて、OKグループ社長、大木の心理描写はほとんどありません。なので、なぜ儲けたいのかについても説明されていません。
僕の考えだと、海外に学校を作る、自分を神格化させるといった行動から鑑みるに、自己顕示欲の肥大化した、よく見られたがりの寂しい人間だったのかもしれません。
ある程度、自分の利益額は満足できているのでしょうね。そこでいったん満足したとき、周囲を見回してみると、いろんな社長が慈善事業をやって称賛されている。そこで、自分もと思い、「慈善事業合戦」に加わっていったのかもしれません。実際、複数の企業が慈善事業をしている描写が劇中にあります。
ブラック企業にとって人など燃料用の薪 にすぎない
冒頭にはこんな言葉が。
ブラック企業にとって人など燃料用の薪にすぎない。灰になろうが、二酸化炭素を大量に排出しようがかまわない。命の熱を金に換えることができるなら、それで十分。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が描いた夢の未来は、三十年たってスマホをもつ奴隷ワーカーがゾンビのようにうろつく煉獄になっちまった。
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本当にブラック企業から転職するなら
僕もブラック企業から逃げた身ですが、逃げて本当に良かったと思っています。今でもたまに夢に出てきますからね……
ブラック企業は消耗するだけなので、特別な意味がなければ転職をおすすめしたいです。
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