- 「真面目にやっているのに受からない」は、就活に対して甘えている
- 学生として評価されようと思う限り、内定はない
- 自分の強みが相手にどう刺さるかを本気で考えよう
就活で甘えるな
一見正しく見える主張だけど、独りよがりだと思う。勉強をたくさんした=採用してもらえるという思考は危険。 https://t.co/2i7VMaRvQ5
— しょうきち@ぷしゅけワークス (@shokichiramen) 2017年4月26日
就活で嘆く女子大生。この思考はなぜ危険なのか。
それは、勉強量と面接時のポイントが比例すると思い込んでいるからだ。(ちなみにこの漫画の原作は知らない)
好かれるポイントではなく、自分がこだわるポイントで勝負するのは愚か
これは恋愛に置き換えると、わかりやすい。
ある女性が男性に振られてしまった。彼女は嘆く。
たくさんメイクの勉強したのに、かわいくなったのに、なぜ好きになってもらえないの?
さて、なぜだろう。
答えは簡単で、相手のことを考えていないからである。
いや、正確に言えば、押さえるべき相手のツボを見誤っているからである。
メイクの練習をしても、相手が容姿のことなんて特に気にしない人なら、評価されないポイントをひたすら上げているだけということになる。メイクが濃くなりすぎてケバくなっていたらむしろマイナス評価だ。
(そもそも、高嶺を目指しすぎているから好かれない可能性もあるが)
冒頭の女子大生も同じで、評価されるべき点で勝負できておらず、自分の努力量だけをおしつけるようでは成果=内定はない。
面接において、学生として評価されるなんて大間違い
メタクソに書いたが、冒頭の彼女の主張はわからなくもない。
「学生として」評価されるべきは、たくさん勉強をした彼女であるべきだ。ただし、「会社で使える人材として」評価される人は、勉強量とは全く関係がない。
彼女の甘さは、社会人としての適性を評価する面接という場に、学生として評価されたいという気持ちで全力でぶっ込んでいることだろう。
繰り返すが、面接は、社会人としての適正を見る場所である。だから、学生時代に努力した点において、社会人になったときに使えるスキルを見いだせなければならない。
相手を笑わせたり、いい気持ちにできるなら、立派な社会に通用するスキルだ。チャラ男であろうと真面目だろうと関係ない。飲み会ばっかりやっていても授業に出席していなくとも関係ない。
これを直視できなければ、ずっと悲劇のヒロイン的に内々定を悔やむしかない。
努力の方向を間違えたら意味がない
就活の甘えということで、もう一つ例をあげようと思う。Yahoo知恵袋にあった就活の悩み相談である。
私は就活で甘えているのでしょうか?
現在就職活動中の大学4回生です。
私は現在未だにどこからも内定を得ていません。
やはり私に甘えがあるから内定が取れないのでしょうか。
就職に行き詰ってしまった為、質問させていただきました。
今までの就職活動を記載させていただきます。
・学歴は関関同立で商学部 企業経営を研究しています。サークルではリーダーを務めていました。
・今まで受けてきた企業は、自身が関わりたい業界を大手から中小企業まで受けてきました。
・エントリーして面接を受けた会社は60社を超えています。
・東洋経済、日経ビジネス、ダイヤモンドは毎週欠かすことなく読んでいます。
・企業の情報を得る媒体は、リクナビをはじめとする媒体から、ハローワーク、就職斡旋業者まで広く利用しています。
・履歴書の添削や、面接の練習は大学のキャリアセンターやハローワークを通じて、40回以上行っています。
・面接官の方からは、元気がよく、弁が立つと言われることが多いです。
・面接を受ける前には、日経新聞を利用し、業界に関する過去5年以内の情報を集め、IR資料も読み込み、OB訪問を行い情報を集め面接に挑みました。
・就職活動中心の生活によって体重を増やさない為に、毎日ランニングと筋トレを行っています。
・TOEICが550点しかない為、向上の為に毎日2時間以上勉強をしています。
内定が取れないのは自分自身が未熟だからと考え、自分を変える努力を8ヶ月続けてきました。
仕事に対する情熱、向上心なら、現役の社員の方にだって負けません。
それでも結果に繋がらないのが悔しいです。
面接では営業利益がわからない社員に、不合格の烙印を押されたりもしました。
知恵袋を拝見させていただくと、内定が取れないのは学生が甘えているからだと回答が多く見受けられます。
自分自身、就職活動において考えうる努力は可能な限りしてきました。自分も変えてきました。
それでも私は社会に甘えているから内定が取れないのでしょうか?
私は就活で甘えているのでしょうか? - 現在就職活動中の大学4回... - Yahoo!知恵袋
僕は指摘すべき点が1つあると思っている。
努力の仕方が「範囲」「量」「回数」を増やすことに偏っているという点だ。
彼女の戦法は、カバー範囲をめちゃくちゃに広げ、練習も実践もとにかく数を当たる。それにより、
- 技術において「量を以て質に転化する」ことを信じ
- 「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」的に結果を求め
なんでもいいからまずは内定を取ろうというものだと想像できる。
(なお、個人的には「関わりたい業界」という表現がかなり抽象的で危ういと思うのだが、これは情報がないのでおいておく)
想像の部分が強いが、この戦法における欠点は、小手先の戦法に終始している点だ。本質的な戦力強化に至っていない。だから、落ちる。
彼女が本当にすべきは、業界分析の前に自己分析である。経済誌をいくら読み込もうとも、戦える武器はそうは増えない。せいぜい「最近の気になるニュースは何か」という、そこまで重要ではない質問において、少し精度が高まるくらいだろう。
たくさんランニングをして体型維持に努めたところで、何が変わるのだろうか。
小手先の経済知識をどれくらい詰め込んだかより、体重が2,3キロ減量できるかより、彼女がどんな人間かを明確に言えたほうが、よっぽど強い。面接官はそっちの方が、ずっと興味がある。
主砲は自己分析によって磨かれる
軍艦で言えば、ニュースの知識など、パラパラうるさい機関砲である。当たっても当たらなくてもそう痛くない。
その一方で、自分自身の話は主砲に値する。主砲のインパクトがどれだけあるか、どれだけうまく当てられるかで、戦いの結末は変わる。
内定のとれていない知恵袋の彼女は、自己分析について書いていない。自己分析に関わるような記述もない(もしかしたら、説明がしづらいから書いていないだけかもしれないが)。
彼女のすべきは一つ。ランニングも経済誌も放り出して、学生時代の活動でどう頑張ったかを、練りに練って書くべきだったのだ。
去年、就活の自己分析にのった女子学生がいた。彼女は長い間内定がなかったが、自己分析をした途端に一瞬で内定をとった。本当に目覚ましいスピードだった。
彼女は非常にコミュニケーション能力の高い女性だったが、惜しいことにそれを自身で知らなかった。その上、志望業界でコミュニケーション能力が評価されることを知らなかった。
彼女のスキルとしてのコミュニケーション能力と、志望先で出現するコミュニケーションの場。それをつなげた途端、彼女はいとも簡単に内定した。いや、むしろ受かって当然だったと思う。
傍から見れば、本当にコミュニケーション能力の高い有能な学生であることはわかっていた。あとは、それを面接官にわかってもらうために、自己分析を済ませて強みを伝えるだけである。
何が必要とされるかを見極めて、自己分析。決して甘えない
何が必要とされているかを見極めて自己分析し、自分の強みを相手にぶつけることができれば勝てる。決して努力量に甘えてはいけない。
マシンガンを乱射したところで、大砲の一発には勝てないのだ。勝てる一点を見極めて、集中する。決して諦めない、甘えない。それが就活の成功の鍵だ。
もし、面接の「スキル」で悩んでいるとしたら、自分の経験で恐縮ではあるが、このエントリーが参考になるかもしれないので、面接で悩んでいる人は読んでいただきたい。
就活参考書籍
絶対内定は自分も使っていました。これに投資する2000円は、絶対に10倍、100倍になって帰ってくる。