ども!
しょうきちです。
MUKASA_HUBで行われる、宮崎ソーシャルビジネスサミットinMUKASA_HUBに行ってきました。かなり面白かったので、箇条書きでセミナー内容をシェアしたいと思います!
廃校から生まれたコワーキングスペース「MUKASA_HUB」
まずはMUKASA_HUBのご紹介。
どんなところかというと、廃校をリノベーションして作ったコワーキングスペースなのです。
外観はほぼほぼ小学校ですが、各部分にペンキの塗り直しを施しているのでキレイ。
休憩スペースもおしゃれ。
エントランスは、IT企業のそれと見間違うようなデザイン。かっこいい!
廊下は入ってみると、この通り。
イケてますね~!
ここで開催されるのが、宮崎ソーシャルビジネスサミットです。
宮崎ソーシャルビジネスサミットとは
宮崎県内のソーシャルビジネスの促進を目的に、月刊ソトコト編集長の指出氏をゲストに迎えて、宮崎県内のソーシャルビジネスのリーダーらと一緒に学びx語りx交流するイベント。
地域プロデューサー、斉藤潤一さんのお話
ここで、地域プロデューサーとしてガイアの夜明けに出演されたこともある、斉藤潤一さんからのお話です。
持続可能なビジネスを地域で作ることがビジョン
- 日本の原風景を残したい
- シリコンバレーから帰ってきたら、日本の風景が変わっている。危機感
ビジョンはスイミー
- 1億円の地域商社10社作って、スイミーのように地域を盛り上げる
- 2年くらい前から日向ドラゴンアカデミーをつくってビジネスを作る。仲間を増やすために
- 笑顔とお金、地域には両方必要
- 補助金漬けはダメ
- 消費ではなく、投資として補助金を使うべき
- 宮崎スタートアップバレーができて、ソトコトに取材される
新しいビジネスを、みんなで応援するカルチャーを作る
- 今回登壇するのは、地域ビジネスの先行者、例えば……
- 19歳で350万を調達したへべす君
- 高千穂食べる通信をつくった公務員たち
- 農産物のブランド化、直売所の店長→地域商社
- 地域商社の児湯財団は宮崎ライチを売上爆増させている
- 限界集落の渡川に「おばあちゃんカフェ」ができ、地域復興ののろし
- 変態山師 ビルをリノベーションしてコワーキングカフェをつくる
世界一チャレンジしやすい街に向かって、宮崎スタートアップバレーを作ることを目標にしているそうです。
月刊ソトコト編集長、指出一正さんのお話
続いて、ソトコトの編集長、指出さんのお話。濃ゆい話が満載!!
はじめに
- 以前に宮崎に来れたのは3.11前後。宮崎が盛り上がっているので、このタイミングでこれたのは嬉しい。
- 僕はあたらしい地方を編集し、発信するソーシャルな視点を作っている
- ソトコトの責任者だが、東京におらずいつも地方にいる。編集者よりも、伝達者としてありたい
自己紹介
- ソトコトの編集者を13年、長を6年やっている
- 小学校から山や自然に興味。現在も7割は魚釣りのことばかり考えている
- イワナを釣ったり森を歩いたり、クワガタつかみをやる
- クワガタは捕まえるのではなく、道に落ちているクワガタを見て「あ、ミヤマクワガタだな」って言って、離す。とても地味な作業(笑)
- いつも虫かごを持ち歩いていて、川で泳いでいるタナゴをいれて眺めたりしている
- 地方が大変だと叫ばれるが、魚から地方の様子がわかる。チキン南蛮からも学べる
- ミクロを観察することが、地域の解像度を上げていくのに必要なのではないか
仕事の話
- 「とさぶし」という雑誌をつくった
- 高知県の高知を愛する人に対して、坂本龍馬に頼るのはやめよう、というウルトラCの提案
- 高知を再考するメディア。鰹ではなく、ウツボにフォーカス
- ウツボのタタキをつくるとき、ヌメリを取るために洗濯機にいれる
- そんな「地元では当たり前」をメディアにする
- 内向きな地域発信
- うどん県には負けない等、ライバルしか見ていない「横向き」な考えをやめよう
- ターゲットに向いていないコンテンツが多すぎる
- とさぶしは、圧倒的に地元の人向き、「内向き」なメディア
- スーパーの人や、NPOの人が、編集者になりたいと言ってくる
- 内向きにすることで、中の人が発信する文化をつくった
しまねコト
- 「島根にすまなくてもいいので、東京で島根のことを考えてください」という、心の広い地域PRを実施
- 2泊3日でわさび棚とか、棚田の中山間地域に会いに行く。自分と島根を自分ごととして重ね合わせる
- すると、移住しなくてもいいと言ったにも関わらず、移住多数
- 移住者も、地域貢献系の仕事や地元PRの仕事につく
- シェアハウスを創設したりする移住者も
- コスト換算すると、移住施策として圧倒的にいいパフォーマンスを上げている
- 「いくら補助します」のたたき売りの移住フェアなんて、もう遅い
- 若い人、魅力に感じてくれる人に来てもらったらいい
「関係人口」を作る人が重要
- ゆるく地域に関わっている人が、後々移住したくなり、地域にやってくる
- それを「関係人口」と呼んでいる
- 数値化はできない、感覚値
- 定住人口(=もともと住んでいる人、移住する人)と観光人口(=観光で1度はくるけど、またくるかはわからない)の中間が関係人口だ
- 地域でなんとなく手伝ってみたら、村の様子がわかり、いつの間にか毎年来て手伝っている。そのまま楽しいから移住してしまう。それが関係人口の増え方
関係性を買う時代
- ある施策で、中山間地域に大量の観光客を呼び込むことをやった
- 街でやっているバザー、手作りのイベントを視覚化させる。バザーとか
- それをウェブにまとめると、結構な数になる。それをみんなで見られるようにすればいいじゃないか
- 実施のために、クラウドファンディングをやった
- 目標金額は風呂敷を広げれば広げるほどいい。気合で3000万設定
- 集まらないですよねというムード。自分も自信がなかった
- ところが、3800万集まった
- みんなのお金の使い方は、買う→資格、経験→関係性に移り変わっている
- お金をかけて、関係を買う時代がやってきた
- かけがえのないものの、優先順位が上がってきた
- 例えば、友達の服を買うとは友達との関係を買う
- つまり、かかわりたい、つながりたいから買う
- 「お金を使うことを飽きた人たちが出て来ている」ということ
- 宮崎にも、油津のfan!という、ゲストハウスがある
- 2800円で泊まれる、大学生がやっている宿
- ここに来たがる理由は単なる安さではない
- 往復の飛行機代を考えれば、東京近郊でいいホテルに泊まれる
- 会いに来るためにお金を使う、関係性にお金を使うという消費行動
神奈川の真鶴
- 真鶴は、熱海と湯河原という、有名な観光地に挟まれている
- 「バブルに抗った街」
- 家に木を植えるときは実のなるきを植えましょう、という変わっている法令がある
- それを見つけて面白がる人がいる
- 「そんなの昔から有るよ」はNGワード
- 時間軸とともに、風景は変わっているから、若い人の真鶴と、昔からいる人の真鶴は同じだけど違う
- 夫婦が真鶴でピザ屋を開業、湯河原のピザーラが大打撃
- 小さな店に、大都市由来のフランチャイジーが負ける
- 地方で小さな小売店をやったほうが、感度のいい経験ができる
地域を編集する時代
- 地域を編集するとは?
- 「魅力を広げすぎてしまって、どこに推せばいいかわからない」という地域PRの課題
- 佐藤恒平(ウサヒ)という事例
- ネットで3万円で買った、変哲もないうさぎのきぐるみを来て街を歩く
- おばちゃんがりんごの形をしたポーチを持たせてくれ、おじちゃんがワッペンをつけてくれた
- 町の人が、「勝手に」ウサヒを「編集」し始めた
- ウサヒを使うことで、物が売れるということがわかる
- つまり、うちには何もないは逃げの言葉
- ウサヒのように、街の人が関わることで、街の魅力が浮き彫りになって、売れる
- かつおに頼るな、坂本龍馬に頼るな
- 街を編集し、豊かな感性を持つべきだ
桃色ウサヒプロジェクトは、「無個性な着ぐるみを地域の人と一緒にプロデュースしよう」をコンセプトにした地域情報発信のための実験プロジェクトです。
地域振興の研究者である「中の人」(当時、東北芸術工科大学の大学院生)がふらっと持ってきた研究企画書をもとに2008年からスタートしました。無個性なウサギの着ぐるみ「桃色ウサヒ」を使って町をPRするため、町の人にアイディアを出してもらい、ウサヒがそれを実行していくという全国で初の「育成型のご当地キャラクター」として、以下に記されたテーマのもと運営はスタートしました。――朝日町ホームページより
続いては、宮剤県内で地域ビジネスを始めた6人の企業家が登場します。
ドラゴンアカデミー(へべすくん)
宮崎の柑橘類「へべす」をPRするへべす君こと神林くん。もはや名物。
- へべすはカボスみたいにかけて食べられる柑橘類
- 日向ドラゴンアカデミーで、へべす農家さんと出会う
- 農家さんと話すうちに、へべすの未来はどうなるんだろう?とクラウドファンディング挑戦
- クラウドファンディングでは、350万調達
- ドラゴンアカデミーで学んだ3つのことは、現場主義、顧客目線、歴史
- 現場主義:畑に行って、現場を見る
- 顧客目線:ファーマーズマーケットでへべすを売る
- これはライムですか?と言われる
- 「ヘベス」という名前だけでは何かわからない
- でも、「ライム」と言われたことで、具体的な名前がついた
- 間違っているけど嬉しかった
- 歴史:嫁入りのときに、嫁入り道具としてへべすを使う
- 今はこゆ財団で、一反の畑を始める
- 友達もついてきてくれた。後輩もきてくれた
- 同年代の人とできるのが嬉しかった
- 350万は、買い叩かれているB級品のへべすを売るマーケティングに使う
こゆ財団(岡本啓二)
宮崎の北部、児湯群の地域創生を図る児湯財団。
- 地域を盛り上げるすべがない児湯郡
- 特産品販売の利益を、人材育成に使っていく、雇用や仕事を増やしていく
- 「楊貴妃ライチ」という新しい特産物
- 1975年に宮崎に入ってくる。生産が難しいので、生産中止していた
- ここ10年かかって安定した生産ができたが、市場には国産ライチの印象がない
- 糖度を上げる仕組み(企業秘密)などを
- 東京で売っているライチは企画がないので、買いやすくしていきたい
ライチが回ってきました。すごい立派!一箱1万円だそうです。
ヒュッテ・どがわプロジェクト(今西猛)
山師でありながら、宮崎市の繁華街にコワーキングスペースを設立する今西さん。
- 若草通りにコワーキングスペース「若草HUTTE」を設立
- デリカフェ×コワーキング
- ディーンアンドデルーカ→セツコ&レイコ
- 渡川地区は30年後、人口の55%が減る
- 山の需要と街の需要どちらにもフィットするお店
- 課題の1番は、関心が薄れていること
- 街からの距離が遠い。街の知恵を借りる、力を借りる
- やっているのは山師だけではない。EC、コワーキングも含めて山師
- 5年あれば、人生も未来も変えられる
高千穂アカデミー(田崎友教)
高千穂食べる通信を創刊した高千穂アカデミー。
- やりっぱなし行政、補助金ズブズブ等、たくさんの課題
- 課題なんて、やればいいやんの精神
- 課題にチャレンジするために、食べる通信をつくった
- 3500円を払ってもらい、本と食べ物を送る
- 情報がメインだから、食べ物は少ない
- 顧客の声「少ない量だけど、噛み締めて食べました」
- 食べる通信の目的は、高千穂郷で暮らしたい人をつくること
- 高千穂は、あまりにも有名。だから、観光地としてブランディングされすぎて、移住地としてフォーカスされにくい
宮崎ベースキャンプ(池袋耕人)
ゴミ拾いから始まるコミュニティづくり、そしてそこから出て来る化学反応。
- ベースキャンプはごみを拾っている
- 誰でもできるようにみえる?そう、誰でもできる
- 誰でもできることでも続ければ社会は変わる
- ゴミ拾いの後で、集まる→ワークショップ(秘密会議)
- ゴミ拾い&秘密会議=イノベーティブな場
- 様々なイベントが生まれる
- 今後は学生と企業が出会う場、学び・探求、あなたのやりたいことの支援をしていきたい
- コミュニティとソサエティという言葉があるけど、2人が作っているのはソサエティだ
aya100(梶山剛)
店長から、地域商社を作る
- 綾町の綾手作りセンターで、35歳で一番若い店長として就任
- はじめの1年間は信頼関係を作れなかった
- その中で大事にしてきたのは、生産者にどれだけ利益を作れるか
- 現場を見に、畑にいきまくった
- 生産者が野菜の魅力を教えてくれる
- 今までの綾町を作ってきた人たちに出会う
- もっと綾を広めたい、そう思い、地域商社を作った
トークセッション
斉藤潤一さん、ソトコトの指出さん、九州パンケーキの村岡さんのトークセッション!
地域とつながり (村岡さん、指出さん)
- 宮崎はヨコのつながりがある。仲がいい。連携が強い。東北は連携が弱かったりするから、つながりがあるのは良い文化だ。
- イノベーションを起こすのは寛容さが大事。いろんなことに関わる、関わり「しろ」をつくるべき
弱みを見せることも重要(村岡さん、指出さん)
- 人を呼ぶにあたって、行政が弱みを見せることはとても重要
- わが町自慢だけでもダメだけど、取り付く島もない、何もないからさあやってくださいでも逆効果
- 見せるべきは、「前向きな弱み」だ
- これが課題だから、みんなで解決したいよね、というメッセージを発信しよう
「読めない街」 はお宝(指出さん)
- 最近、読めない街に興味を持つ
- 読めない街は、発見されにくい。だから、発掘したら、お宝が眠っている可能性がある
- そんな読めない街では、出会いのプレミア感が半端ない。だから、読めない街大好き
叩かれても1次情報にこだわりたい(指出さん)
- 2次情報をもってきて、こねくり回して文化人気取るのは嫌だ。1次情報にこだわりたい
- きれいなこと、正しいことを言って満足する人がたくさんいるけれども、キュレーションメディアみたいなことは言いたくない
まとめ:地域を編集しよう!
全て楽しく参加させていただきましたが、とりわけ指出さんの話がめちゃくちゃおもしろかったです。「地域を編集する」「関係人口」など、今まで地域で起こっていることをきっちり言い表す鋭い言葉の数々。これぞ、ソトコトの編集長なのかと驚きました。
僕も移住者として、地域で何をしていくかを考えていきたいですね。