ADHDの僕が職場で失敗した迷惑なこと
ADHDとはめちゃくちゃざっくりいうと、空気が読めなかったり、変なところに集中してしまったり、落ち着きがなかったりする精神疾患のことです。
昔は子どもの病気として認知されていましたが、最近では「大人のADHD」が認知されてきて、ビジネスマンでも「ミスが多いから、ひょっとしたら自分もADHDでは……?」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、ADHDと診断を受けた僕が、実際に職場で失敗した「大迷惑集」を書いてみました。いつものご自身と比較して、ADHDかどうかの判断材料の一つにしてみてください。
商品の梱包に戸惑い、発送をミスって大クレームに
商品を注文通りにダンボールに詰め、得意先ごとに発送する。こんな単純そうな作業で混乱し、無事死亡。ADHDの方あるあるだと思います。
ADHDの特徴の一つとして、「整理整頓が苦手」というものがあります。
僕はこの特徴に完全合致していまして、新しく来たダイレクトメールを処理するのが苦手で溜め込んでしまったり、デスクの上のものをあるべきところに戻したりするのがとてつもなく苦痛です。
なので、誰でもできそうな下記のような仕事がとんでもない地獄に感じるのです。
- 得意先ごとに、バラバラの時間帯で、注文書がFAXで30通くらい送られてくる
- カラーバリエーション豊富な商品を、数とカラーを間違えず梱包しなければならない
- 得意先によって割引率を間違えずに納品書に記載する(手書きだったりExcelだったり)
- ダンボールは丁寧に扱う
- 佐川急便が集荷に来るまでに完了させる
もちろん、初回から大量の発送ミス。カラーが違ったり、商品が2,3コ足りなかったり、梱包が汚くて得意先を怒らせたり……
毎日のようにクレームが来るので、会社にいるのが本当に憂鬱でした。僕のミスの多さを見かねた部長が他の部門から応援を呼んで、みんなで梱包作業をしたりするんですが、この仕事って本当は僕一人でもできるんだよな、と思うと申し訳なさでいっぱい。
だだっ広い倉庫の中、一人で何度か泣きました。休日出勤をして、売れ線の商品だけを先に梱包したりもしました。それでもミスは減らず、クレームの電話は鳴り続けました。
僕からしたら、汚いダンボールもキレイなダンボールも違いなんてわからないですし、作業をしていたらそんなことなんて構っていられないのです……(気にしていたら余計に遅くなる)
メモをPCのディスプレイの周りに貼っていた結果、貼りすぎてライオンみたいになる
新人の時、タスク管理という難関にぶち当たりました。あれをやって、コレをやってと言われるのですが、どうしても言われた通りにこなせないのです。
その理由としては、
- 優先順位がつけられない(自分のやりたいことをまずやりたい)
- オーダー以上の範囲までこなしてしまう(気づいたらやりこんでしまった)
- 時間が守れない
衝動的に動いてしまうので、オーダー通りにタスクをこなすのがとても困難。
したがって、働いても働いても、TODOリストは減るどころか増えるばかりでした。そこで、忘れないように全てのタスクをポストイットに書き、PCのディスプレイに貼り続けていると、周囲から笑い声が。
「しょうきちくん、PCがライオンになっているよ」
見てみると、PCの周りには自分で必死に書いたメモが、ずらりと一周。まるでライオンのたてがみのように画面を囲んでいたのです。
めちゃくちゃ恥ずかしかったです……
社用車をぶつけて50万円の損害を出す。しかも警察に届け出ずに帰る
地方に転職した僕は、「運転」という新たな難関に直面します。
免許を取ってから3年間、一度も運転していなかった自動車。業務中に「ペーパーでも乗らないと」と言われ、突然高速を走らされました。
エンジンのかけ方すら忘れた状態からスタートして、高速はなんとか事故を起こさずに済んだものの(何度か追い越し車線をまたぎながら走りました)、コインパーキングの駐車でパニックになって車をぶつけてしまいました。
その時パニックになり、気がつけば、車を自宅付近に駐車したまま布団の上にいました。
思えば免許合宿で教習所にいたときも、教習手帳に「不注意な点が多い。いつか重大な事故を起こす危険性がある」 と書かれましたが、見事にその通りでした。まさかそこまで見通すとは、優秀な教官だったんですね(違う)
何回やっても資料がミスだらけ
コンサルの仕事をしていたときのことです。
コンサルの仕事は大きく分けて2つで、レポートを書くことと、打ち合わせをすること。なので、レポートを出すときは、細心の注意をはらわなければなりません。
しかし僕の資料では、Excelの枠線が欠けていたり、誤字脱字があったりと、ミスが大量発生。
僕のときだけ、同僚によるダブルチェックが入りました。同僚からミスを指摘されるというのはなかなかにプレッシャーだったので、否が応でもミスをなくしたくなるのですが、それでも発生するミス。呆れる同僚。なぜこんなにミスるのかわからない自分。
でも、めちゃくちゃ鍛えられた結果、逆にミス潰しに集中できるようになりました。
入社3ヶ月で遅刻をする
許されるとは思いませんが、時間管理って苦手なんですよね……
ちなみにこれがきっかけの一つとして、左遷させられました。ちーん。
商品整理をしろと言われても、何を整理すればいいのかわからずフリーズ
モノがごちゃっとあると、本当に何をすればいいのかわからないんですよね。
例えば、「30分あげるから、商品を整理しておいて」
と言われても、本当に何をすればいいのかがわからないのです。
わからないなりに何かしようと考えるのですが、整理整頓となると、超抽象的なところで思考がストップ。「整理するには、モノをカテゴライズすべき→→→?」と、作業レベルまで思考が落ちていかないのです。
この時点で、僕はフリーズです。必死に脳内処理しているのですが、キャパオーバーなので答えが出ません。だから、何も行動できません。当然、怒られます。
ホームセンターで働いていた時、整理整頓の機会はたくさんありましたが、僕にとっての整理整頓とは、
- ものを捨てる
- ものを「どこか」に置く
以上に深い答えを出すことができませんでした。バカみたいでしょ。でも、できないんです。いくら言われても……
最悪なケースは「何も整頓されていないじゃない!」と叱責されることで、「何も変化していない=最悪の状態」と認識してしまうこと。
最悪な状態を避けるために必要なものまで捨ててさらに怒鳴られたりもしました。
こんな僕でも、ハマれば結果を出せた
過去の失敗をここまでハードに列挙するとかなり死にたくなるのですが、状況によっては結果を出すこともできました。
わかったことは、勝手にやらせてくれれば結果が出せるかもしれない、ということです。
- 入社半年で、特定領域の仕事については社内でトップになる
- 2年かけて成績が伸びなかった教室の定期テストを、1ヶ月で全員5教科50点以上上げる
- 商品知識テストで1位になる
- 自分の企画が市から表彰される
自由度が高ければ高いほど、自分で勝手に改善ができるので、ハマれば結果が出せるのです。
逆に、単純作業や完成されたフレームワークの中では、既に存在するしきたりに従わなければならないので、やる気がなくなってしまいます。ルールに順応できないからです。
つまり、社風や仕事の流れに馴染むことができれば、ADHDの僕でも会社で結果を出すことができたということです。
馴染める会社で働けると、とてもラク
一度、社員のほとんどがADHDというすごい状況で働いたことがありますが、お互いに理解があるので非常に働きやすかったです。相手が自分のミスに無関心なので、プレッシャーがありません。
なので、ミスを指摘され続けて凹むこともなく、逆に出した結果は素直に認められるので、モチベーション高く仕事ができました。「こんなカンタンなこともできないの?」と言われ続けた過去からステップアップした感じがしました。
細かいことに気を遣いすぎることなく、自分のペースで仕事ができるのは控えめに言って最高です。何より、自分がデキる人間なんだ、というものすごい自己肯定感が生まれます。会社に必要とされている、スキルを仕事に活かせているという実感があふれ、毎日の出勤がとても楽しくなります。
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- ビジネスマナー
- PCスキル
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