ブラック企業あるある

クーリエジャポンの「ホワイト企業の条件」の定義付けに違和感

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新しいホワイト企業の条件をトヨタから学んでみよう

というコラムがあり、気になって読んで見ました。

内容を要約すると、こんな内容です。

  • 製品の品質には、製造品質と設計品質がある。
  • 製造品質は製品の性能に対しての指標なのに対して、設計品質は売れるかどうかの指標である。
  • トヨタは設計品質についての考えが優れており、必要なときに必要なものを必要なだけ作る文化が浸透している。
  • 今必要な人材は、価値のある設計情報を作り出せる人=タレント
  • 人はタレントのほかにプロフェッショナル(仕事の確実性が高い知識労働者)、すぺりゃリスト(特定領域に強い知識労働者)、ワーカー(知識を必要としない労働者)が存在する。
  • タレントは未知の領域に対して新しい価値を作るのに対して、スペシャリストやプロフェッショナルは既存領域においてのみ価値を発揮する。
  • タレントを育成する仕組みとして秀でているのは、トヨタの「主査制度」
  • 主査とは担当する製品のプロジェクトマネージャーであり、調査から販売までのすべての責任と権限を持つ。
  • ソニーは優れたタレントを経営陣にすえなかったために失敗した。
  • 適材適所を実行し、タレントをトップにおいてそれをサポートできるような仕組みこそ、ホワイト企業の条件となる。

成長企業=ホワイト企業?

この文脈で語られているのは、ホワイト企業の条件についてといいながら「成長企業の条件」なのではないかと思います。

果たして、成長企業=ホワイト企業なのでしょうか?タレントをトップに配置すれば、働きやすい会社になるのでしょうか?

ホワイト企業になるには、人徳こそ必要だと思う

僕の考えとしては、答えはNOです。実際、僕の会社の社長はまさしくタレントというべき人物ですが、同時に週に100時間を超える長時間労働を是とする人物です。

ホワイト企業に本当に必要なのは、人の人生を食い物にしないことだと思います。人徳ともいえるでしょう。

企業にとって本当にほしい人材は、「悪質な環境に文句を言わない優秀な奴隷」だと思います。しかし、奴隷を集めるということは、人の人生をその奴隷の人数分食いながら生きていくということです。そして、食われた人間は心を壊し、食われるのを恐れた人間は逃げ出したり、謀反を起こしたりします。いつか、大きく足をすくわれるときが来ます。

僕も人生のコントロールを奪われ、心を食われそうになりました。

nojisho.hatenablog.com

クーリエジャポンにはグーグルやパタゴニアなど、働きやすい企業の情報が掲載されています。そこでの働き方は、社員を縛るといった様子は少しも記載がありません。むしろ、生き方に自由を認め、開放されているように感じます。

この本社で25年以上働く受付の社員は、毎年サーフィン教室で教えているため、夏の数ヶ月はほとんどオフィスに来ないという。そしてその間は、ほかの社員2~3人で彼の仕事をカバーする。

日本国憲法ではないですが、健康で文化的な最高の生活を保証できることがホワイト企業の要素だと思います。成長企業だからって、ホワイト企業になるわけではありません。成長していながら、社員を食いつぶそうとするブラック企業は日本にいくらでも存在すると思います。ホワイト企業の要素としてふさわしいのは、生き方や働き方をどれだけ尊重できるかではないでしょうか。

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