ども、しょうきちです。
突然ですが、現在50話まで連載している「転職先はブラック企業」を本にすることにしました。
これです。
最新話はこれです。
突然何を言い始めたのかと思うかもしれませんが、僕は本気で本にすることにしました。
ちなみに文学賞的な小説コンテストに送って紙の本で出版してもらうことをねらうのか、先んじて電子書籍で出版するかはまだ未定です。クラウドファンディングを使ってお金を集めて、優秀な編集者に編集してもらって本にしたりするかもしれません。
どちらにせよ、きちんと加筆・修正・編集して、書ききれていない心理描写から同僚のこと、ジャンプしか読んでいなさそうだけど何やっているかわからない社長のことまできちんと書いて、濃厚なブラック企業追体験をしていただけるように作り込みます。
ブラック企業で生まれる「ひずみ」を書きたい
そもそも「転職先はブラック企業」を何で書いているのか。一言で言うなら、ブラック企業で生まれる「ひずみ」をなるべく濃厚に書きたかったからです。
突然ですが、ブラック企業は「悪」でしょうか。
ブラック企業によって鬱に追いやられた人、命を絶った人。家族や恋人を失った人。ブラック企業は人から多くの大切なものを搾取し、それを醸して利益にします。悪魔の錬金術とでもいえるでしょう。
そんなブラック企業、人はさぞかし悪人の巣窟を想像するかと思います。
でも、絶対にそうかというと決してそんなことはなくて、善意の塊のような人がブラック企業を生むこともあるのです。僕の勤めていた会社も、悪人はいなくて、善人ばかりでした。なのに、いつのまにか組織や目標、理念に飲み込まれて、人はブラック企業的な働き方を押し付けるようになります。
そして、ブラック企業に自ら喜んで飛び込む若者もいます。彼らは「成長」という、現代におけるキラーカードをつかむために、わざわざ高学歴の新卒をすてて、ドブさらいのような真っ黒な毎日をブラック企業で過ごすのです。
彼らが残業代を申請することはありませんし、気にしてもいないのだと思います。彼らは進んでブラック企業的な働き方をしているのですから。
こうなってくると、何が悪で、何が善なのかがわからなくなります。ブラック企業を探してストイックな毎日に飛び込んでくるドマゾい若者に対して、ブラック企業だからダメだと言って仕事をとりあげても、彼らは満足せずに別のブラック企業を探すでしょう。
彼らはブラック企業をブラック企業だと思っておらず、自己暗示的に「自分を成長させてくれるホワイト企業」だと思いこんでいるフシさえあります。このときついに、働きたい人間から仕事を無理やり奪うのは、悪ではないのか、という疑問さえ生まれてしまうのです。
ブラック企業は悪だ。そう言う前に、どう悪なのかを僕は知ってほしいのです。
悪だとしたら、どう悪なのか。どのように人を苦しめ、人はどのように企業を憎むのか。
さらに言えば、ブラック企業とはどんな企業かも、実はいまだに定義されていません。
過去にこんな記事を書きましたが、ブラック企業とは何なのかについても、小説を通して考えてほしいですし、僕も考えたいです。
ブラック企業は滑稽である
もう一つ伝えたいのは、ブラック企業の中身はきわめて滑稽であるということ。
記事の中でも書いていますが、壮大な理想を掲げていながらバカな宴会でウェイウェイやっていたり、とんでもない雑な仕事で取引先をうんざりさせることもあります。
パツパツなので、自分たちの滑稽さを正視できていないのです。
地域に貢献するだの、日本の経済力を上げるだの言っておきながら、実態はおざなりである、そんなブラック企業の実態も合わせてしってほしいと思っています。懐かしい例でいうと「トリビアの泉」を見るような感覚で。
本にしようと思ったきっかけ
そんなことを考えながら記事を書いたりしていましたが、本にしたいと思ったきっかけは、ハイエナズクラブの自由研究に応募して、名前が載ったことです。
入賞していないので「載ったんですよ!!」と威張るのもおかしな話ですが、プロのライターさんに文章力をお褒めいただいて本当に嬉しかったんです。
僕はずっと昔から「本を出したい」という夢があったので、この機会に、頑張って連載を本にしてみようと思いました。
今は誰でも電子書籍で出版できる、いい時代になりましたね。元手ほぼゼロで自費出版できるわけですから。
さて、そんなわけで、8月5日までは毎日更新していきます!